映画の素晴らしさ

トップページ > 映画の好みは人それぞれ

映画の好みは人それぞれ

どのような芸術作品にも「ジャンル」というものがあります。ジャンルに基準はないですが、私たちはさまざまな作品を楽しんできた経緯から、その作品がどのようなものなのかをひと目で理解したいとも思うのです。

それは自分が観たいものだけを観たいからですし、せっかく時間を割いて楽しむのですから、「気に入る」ものを観たいのです。ですから映画を供給する人は受け手に対して「これはこういう作品です」ということを明らかにしてあげる必要があるのです。そのような「提示」の仕方として一番わかりやすいものが「ジャンル」です。ジャンルはその作品が主にどのような性質を持っているのか、語るものです。作り手にとっては、その作品は唯一無二のものであり、他のどの作品とも違うはずなのです。他の作品と並べられ、「似たようなものです」と紹介されるのは本当であれば心外なのですが、受け手にとっては映画選びの際にそれがありがたいわけです。

観ていない作品は、どのようなものかわからないのです。観なければどのようなものか、どのようなメッセージが込められているのか、わからないのです。ですが、観るためにはお金も時間も使わなければいけないのですから、ある程度「選ぶ基準」は欲しいのです。そして、それを選ぶ際にある程度のカテゴリー別けがされていると、なお良いのです。選びやすいのです。

人には「好み」があり、派手なアクションシーンが満載の作品を特に好んだり、ラブストーリーを特に好んだり、さまざまです。ホラーはどうしても観ることができないという人もいるでしょう。この監督の作品は好き、この監督の作品はキライということもあると思います。そのようなさまざまな好みがあり、さまざまな選ぶ基準があるのです。それらの情報から、私たちは自分が本当に観たい作品を探し出し、選び、楽しむのです。万人受けする作品も、もちろん世の中にはあるでしょう。対して難解で、観る人を選ぶ作品もあると思います。観てみなければ本質はわからないものですが、それを観てもらうためにさまざまな情報を取り出して提示する必要があるのです。そうして整理して並べることで、人が選択しやすいようにするということです。

制作に関わった人にとっては、その作品はその作品であり、他の何物でもないのです。ですが、初めてその作品に関わる人にとっては、「どんな作品か」ということはとても重要で、映画であればなんでもいいというわけにはいかないのです。だから作品を選ぶことはとても難しく、自分の好みのものを見つけるのは大変なのです。映画は誰に対しても開かれたものです。誰に対しても開かれたものである限り、それを選ぶための「情報」が必要で、それはジャンルから制作者の情報、出演者の情報、さらにヒットしているならば「話題作」などという冠、そして原作の情報など、ありとあらゆる情報で整理されるものなのです。

私たちは無意識のうちにそれらの情報から映画を選び、観ているのです。自分が見たくないものは観ないという選択肢ができるのです。制作したものは観られてこそ意味があるものです。まずはそれを観てもらうための、さまざまな工夫があり、それを選ぶ私たちがいるのです。

↑ PAGE TOP