映画の素晴らしさ

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芸術として何年も残る映画

映画は芸術です。「名作」と呼ばれる映画は世の中に数多くあります。それは時代を問わず、いつでもそれを観る私たちの心をつかんで離しません。テレビドラマでは得られない興奮が、そこにはあるのです。

約二時間という枠に収まったひとつの「世界」、ひとつの「宇宙」ともいえるべき映画は、その技巧を常に進化させ続けました。私たちはそれぞれ自分の「現実」というものを持っています。自分が自分でいるため、生きるための現実がそれぞれあるのです。それは状況によっては辛いことも含んでいるかもしれません。仕事が楽しいという人は幸せです。自分が自分でいられる仕事、自分のチカラ、自分の存在を余すことなく発揮できるフィールドにいる人は、そうでない人から見ると輝いて見えるのです。そして、そうである人はなかなか自覚できないのですが、それは幸せなことです。それは幸せなことであり、そうではない多くの人が夢見た状態です。人から頼りにされる、必要とされる、自分がやるべきことがある、自分にしかできないことがあるということは、「自分を探している」人にとってはとても羨ましいことなのです。

映画の中の登場人物はみんなそのような自身に満ち溢れています。自分の居場所を知っている人、自分が成すべきことを知っている人、自分の手で状況を打開して、自分の手で道を切り開く姿、そのようなものは多くの人が羨望する「ヒーロー」の姿なのです。また、普通に生きているだけでは直面しないような現実、普通に生きているだけでは出会うことのないドラマ、それが映画には詰まっています。

そのような映画に後押しされて、自分もチカラを得るということも多々あるのです。そして、誰もが感銘を受ける映画は時代を超えて、世代を超えて、人にそのようなチカラを与えるのです。私たちは誰もが弱く、誰もが疲れます。それは生きているからで、24時間ずっと起きたままでいることが苦痛であるのと同じで、休息が必要なのです。ですが、映画の中の登場人物はそんなリアルを超えて活き活きとしています。もちろんそれは作られたものであるからですが、私たちはそのような姿を夢見ているものです。そのような姿に自分を照らしあわせて、「自分もこんなふうに」と、潜在意識の奥で考えているものなのです。

人の心を動かすということは簡単なことではありません。誰もがそれぞれ境遇が違うものです。誰もがそれぞれ自分の暮らし、自分の生活、自分の価値観で生きているのです。それらの「さまざまな人」対して等しく感動を与えることはなかなか難しいものです。そんな私たち「人」の中に投じられて、誰からも支持を得るような作品は限られています。そして、そのような作品は語り継がれ、受け継がれていくことになります。映画の素晴らしさはそこにあります。作品としてずっと残り、いつでも誰でも楽しむことができるようになることです。人に影響を与えるということは、時代に影響を与えるということです。ひとつの映画が世の中を変えることだってあるのです。芸術の素晴らしさというものは、「人の心を動かす」ことです。そして人は「心で動くことができる」生き物です。世の中を変える名作を目指して、日々映画制作者は腐心しているのです。

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